2025年5月12日、元タレントの中居正広氏の代理人弁護士が、フジテレビとその親会社であるフジ・メディア・ホールディングス（FMH）が設置した第三者委員会の調査報告書に対し、強く反論しました。報告書では、中居氏が元フジテレビアナウンサーの女性に対して「性暴力」を行ったと認定されましたが、代理人はこれに対し「極めて大きな問題がある」と主張し、関連する証拠の開示を求めました。
中居氏側の主張と反論
代理人弁護士である長沢美智子氏ら5人は、同日付の文書で第三者委員会の竹内朗委員長らに通知を行いました。その中で、報告書の「性暴力」の認定について、「一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為は確認されなかった」と反論しました。また、WHOの広義な定義を使用したことにより、「中立性・公正性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損なった」と指摘しました。
さらに、代理人は、中居氏が3月9日に約6時間にわたり第三者委員会のヒアリングに応じたにもかかわらず、その発言要旨が報告書にほとんど反映されていないと主張しました。また、調査が一方的な伝聞証拠などを基に事実認定が行われたとして、「中立性・公平性に欠ける」と批判しました。
第三者委員会の報告書とその影響
第三者委員会は、2025年3月31日に調査報告書を公表し、2023年6月2日に元フジアナウンサーの女性が業務の延長線上で中居氏から「性暴力」を受けたと認定しました。報告書では、性暴力を「強制力を用いたあらゆる性的な行為」とし、「強制力とは有形力に限らず、心理的な威圧や脅しが含まれ、かつその程度は問題にならない」とするWHOの定義を用いています。
この報告書の公表後、中居氏はトラブルを認め謝罪し、芸能活動の引退を発表しました。また、フジテレビは社内のコンプライアンス体制の見直しを進め、関係者の処分や再発防止策の検討を行っています。
今後の展開と注目点
中居氏側は、第三者委員会に対して調査結果に関連する証拠の開示を求めており、今後の対応が注目されています。また、フジテレビは「回答は差し控えさせて頂きます」としており、報道機関や視聴者からの批判が続いています。この問題は、芸能界やメディア業界におけるコンプライアンスやハラスメント対策の在り方について、改めて議論を呼ぶこととなりました。
今後、第三者委員会が中居氏側の要請にどのように応じるのか、また、フジテレビがどのような対応を取るのかが注目されます。この問題を通じて、芸能界やメディア業界における透明性や公正性の確保が求められることとなるでしょう。
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